こんにちは。GOLF WAVE黒澤です。
近年、パター市場で一気に存在感を増しているのがゼロトルクパターです。プロの使用率も上がり、一般ゴルファーからも「方向性が安定する」「ショートパットが怖くなくなった」という声が増えています。
パターはスコアの約4割を占めるとも言われる重要なクラブ。だからこそ、ストロークの再現性が高いパターを使うだけで、スコアが変わることも珍しくありません。
この記事では、ゼロトルクパターの仕組み・メリット・デメリット・向く人の特徴・選び方まで、初心者にもわかりやすくまとめます。
ゼロトルクパターとは?
ゼロトルクパターとは、ストローク中に起きるフェースのねじれ(トルク)を極限まで抑える設計を持つパターのことです。
一般的なパターでは、ヘッドが動く途中でフェースが少し開いたり閉じたりします。このわずかな動きが方向性のズレにつながり、特にショートパットでは致命的なミスになりやすいです。
ゼロトルクパターでは、ヘッドの重心設計や慣性モーメント(MOI)を高める構造によって、フェースが勝手に回転しにくい状態を作っています。結果として「まっすぐ引いてまっすぐ出す」感覚を強くサポートしてくれるのが最大の特徴です。
ゼロトルクパターの仕組み
メーカーごとに細かい違いはありますが、ゼロトルク化の仕組みは主に次の3つです。
重心を深く・広く取ったヘッド設計
ヘッドの後方に重量を配置し、重心を深くすることで慣性モーメントが大きくなります。慣性モーメントが高いほどヘッドはブレにくく、ストローク中のフェース向きが安定します。
ネック構造の工夫(センターシャフト、ダブルベントなど)
シャフトの位置や角度を最適化し、ヘッドが自然にローテーションしないように作られています。結果として、手の動きとフェースの向きがズレにくくなります。
ヘッドバランスの最適化
左右の重量配分を調整し、ストローク中の“余計な回転力”を抑制します。とくにインパクト付近でのフェースのブレが少なくなるのがポイントです。
ゼロトルクパターのメリット
ゼロトルクパターには、特に初心者〜中級者に強く刺さるメリットがあります。
方向性が安定する
ストローク中にフェースが開閉しにくいので、狙ったラインにボールが出やすくなります。パターの一番多いミス原因が「フェース向きのズレ」なので、ここが改善される恩恵はかなり大きいです。
ショートパットの成功率が上がる
1〜2mのパットは、ほんの少しフェースが開くだけで外れます。ゼロトルクパターはその“ほんの少し”を抑えてくれるため、短いパットの安心感が変わります。
ミスヒットに強い
慣性モーメントが高い構造のモデルが多く、芯を外しても方向と距離が大きくズレにくいです。ロングパットの距離感もまとまりやすくなります。
ストロークの再現性が高まる
パター側が余計な動きをしないため、毎回同じストロークがしやすくなります。「手が動きすぎる」「ヘッドがぶれる」という悩みのある人ほど効果を実感しやすいです。
ゼロトルクパターのデメリット
もちろん万能ではなく、合わないケースもあります。
ヘッドが大きく見える
MOIを高めるためにマレット型など大きめヘッドが多く、構えたときに違和感を感じる人もいます。
アーク型ストロークの人には合わない場合も
フェースを自然に開閉させるアーク型のストロークを得意とする人は、ゼロトルクの“抑え込み感”を窮屈に感じることがあります。
ヘッドが重めで距離感に慣れが必要
安定感の裏返しで、軽いタッチ派の人は最初オーバーしやすいことも。慣れればむしろ距離感は安定します。
ゼロトルクパターが向いている人
- ショートパットをよく外す人
- パターの方向性が安定しない人
- ストレート軌道でストロークする人
- ロングパットの距離感がバラつく人
とくに「まっすぐ引いてまっすぐ出す」タイプの人とは相性抜群です。
ゼロトルクパターの選び方
ストロークタイプを確認する
ストレート軌道なら最適。アーク軌道なら試打して違和感がないか確認しましょう。
ヘッド形状で選ぶ
大型マレットは安定感重視、小型マレットは操作性とのバランスが良いです。
ヘッド重量も重要
重いほど安定しますが、距離感の好みが分かれます。できれば試打で感覚を確認すると失敗しません。
まとめ
ゼロトルクパターは、フェースのねじれを抑え、ストロークの再現性と方向性を大きく高めるパターです。特にショートパットの安定感が増すため、スコアに直結する効果が期待できます。
パターに悩みがある人ほど効果を感じやすいので、もし「方向が合わない」「短いパットが怖い」と思っているなら、一度ゼロトルクパターを試してみる価値は十分あります。
